前回草木染めのお話をしました。
草木染めの素材の中には、草木ではないものもあります。。。
それは、私がまだ糸紡ぎや染めを習っていた時のことです。
お教室の日に、先生の工房に行ったとき、ちょうど染めている途中の鍋がありました。
先生が、「これはとてもきれいで鮮やかな赤い色が染まるのよ」と言って見せてくれたその鍋の中は、赤い色になった液が入っていて、なにかつぶつぶしたものが浮かんでいました。
そして。。。そのつぶつぶには、手足が。。。!!きゃぁ~~。

「コチニール」というその素材は、カイガラムシという虫の1種で、ペルーや、メキシコなどが原産なのだそうです。
世界中で、自然素材の染料として使われ、草木染め(?)の材料としては、非常に少量で鮮やかな色が染まるため、とても重宝されている、高価な染めの材料です。
原産地では、コチニールを飼っている農家の方が結構いるそうで(日本で言う”お蚕様”みたいなものでしょう)、コチニールは高級品で値段が高いため、自分達の服を染めるのには使えなくて、ほとんどが先進国(特に日本)に輸出されていることを考えると、なんだか割り切れない気持ちになります。
さらに、コチニールは、羊毛や繊維を染めるほかに、自然な材料を使った染料として、食品(お菓子やジュース、ねり物など)の色づけにも使われているそうです。
これは、確かに自然素材ですが、コチニールの見た目からすると、気持ち悪いと思う方もいるかもしれませんね。
(ここには写真を載せませんが、ネットで「コチニール 画像」と検索すると、なかなかすごいものが見られますよ。。。寝られなくなるかも)
化学薬品(合成着色料)を使って色をつけることを考えれば、ずっと安全なんでしょうけど。。。ね。
日本人はイナゴやハチの子も食べますし、はちみつなども、ハチが集めた花の蜜とハチの唾液が混じったものですし、高級食材のツバメの巣だって、あれはツバメの唾液ですし。
私は虫自体はちょっと苦手なんですけど、虫の姿そのままでなければ、そういうの割と平気です。
カニやエビだって、よく考えれば、結構気持ち悪い形ですしね。
最初に食べた人、すごいなと思います。